なのるなもない教員の備忘録

タイトル通りです。

【読書】石田淳『マンガでわかる!ほめる技術』

積読の中に仕事で必要なスキルを学ぶ一冊があったので、読みました。

 

行動の定義

ほめるためには相手の行動に目を向ける必要があります。本書で紹介されている行動科学マネジメントでは、行動を「MORSの法則」というもので定義しています。

MORSの法則

M……measurable(計測できる)

O……observable(観察できる)

R……reliable(信頼できる)

S……specific(明確化された)

注:4つすべてが揃って「行動」と呼べる。どれかひとつでも欠ければ、「行動」と定義することができない。(p.73)

例えば、上司が部下に指示を出した時、先生が生徒に指示を出した時、その指示が上記の条件を満たしているかが肝心です。「しっかりやろう」というような指示は行動の定義を満たしていないため、受け手側は「しっかり」の具体的な内容が分からず、適した行動を起こせません。

自分も曖昧な指示をしてしまいがちです。何をするのがよいのか・何をしてほしいのか、相手に分かる言葉で伝えたいです。

 

いつ褒めるか?

いつ褒めるのかというタイミングの問題があります。望ましいタイミングは、今すぐに!だそうです。すぐに褒めることで、その行動が強化されて、行動を継続しやすくなります。目安として60秒以内。その後から褒めるケースでも2週間以内がいいそうです。とにかく「すぐに」というのが大事。褒めるか迷うぐらいなら、すぐにその場で!を心がけたいです。

 

誰に褒められると嬉しいのか問題

誰から褒められると嬉しいのかというのも大事です。信頼関係を築けている相手から褒められると人は嬉しいもの。褒める行為で信頼関係を築きながら、まずは挨拶や些細な声かけから関係づくりに努めると、相乗効果で褒める行為が更に効果的に働くのだと思います。

 

3つの承認

褒めるは3つの承認に分けられます。

1.存在承認

「あなたと一緒に働けてうれしい」と部下の存在を認める。

2.行動承認

部下の取った行動を「助かった」「役に立った」と認める

3.結果承認

部下の出した結果を「すごい」「よくやった」と認める

(p.185)

結果承認は、良い結果が出ないと褒めることができません。

やりやすいのは存在承認と行動承認。

存在承認であれば、挨拶や何気ない声かけ。

行動承認であれば、行動を起こしたことへの褒め。

存在承認は何気ない日常から行い、行動承認は相手の行動を丁寧に観察することで行っていきたいと思います。

 

本書では大人が大人に伝える褒め言葉の一例が載っていました。

これを見ると褒め言葉のバリエーションは「存在の承認」「行動の承認」「結果の承認」「期待・希望」「ねぎらい」などに分類できそうです。

どの言葉を発するにしろ、相手を観察することが大事ということなのでしょう。

 

存在や行動を「承認」することが褒めることになっているという記載があり、これまで自分が意識してきた言動の方向性が合っていたことが分かりました。

あとはそれを実践していくだけです。