土居正博先生の『子どもに一発で伝わる! 説明の技術』を読み終えました。
タイトルにある「技術」の通り、説明は練習をすれば改善することができます。
どなたが書かれたか失念してしまいましたが、「生徒への説明の仕方が悪いと、場の雰囲気が濁る」という旨のことを読んだことがあります。
1日の間に授業でも学級の時間でも説明をする機会が多い教師だからこそ、自分の説明のスキルを伸ばしたいと考えています。
本書を読み、自分の説明はどうなのか、改めて振り返ることができました。
特に発見があったのは「子どもに理解を促す教師の説明 応用編」です。
以下、その項目です。
応用編① 喩える
応用編② 対比と類比
応用編③ 因果関係に気づかせる
応用編④ 対義語や類義語を用いる
応用編⑤ 極論・仮定を用いる
応用編⑥ 経験を想起させる
応用編⑦ 教師の経験を語る
応用編⑧ 学問の知見を生かす
応用編⑨ 体験をセットにする
応用編⑩ 挑発を入れる
それぞれの詳しい内容は省略しますが、生徒にイメージや実感をもたせやすい説明の工夫が書かれていました。
一つひとつの工夫を使ってみるところから、説明力に向上につながっていくのでしょう。
前書の『指示の技術』にも通じますが、土居先生は教師だけがその技術を高めることを良しとしていません。教師が技術を高めていく中で、目の前にいる子どもの力を伸ばすことを見据えています。(『指示の技術』では子どもの「聞く力」を伸ばすことを大事にしていました)
本書では子ども自身の「説明力」を高めていくことを大事にしています。
土居先生は、その意義を①「わかったつもり」を解消する(p.110)と②理解を深める(p.113)としています。
子どもの説明力を向上させる指導技術の詳細は省略しますが、印象に残ったのは、教師自身がモデルとなること、子どもに説明させる機会を多くつくること、子どもの説明の評価をすることでした
「ペアで説明させ、機会をつくること」「全体で子どもが説明する際は、説明の評価を行うこと」を大事にしたいと考えています。
説明は意識をすればすぐに良くなっていきます。
説明について基礎から応用、子ども達の「説明力」を伸ばすことまで学びたい方におすすめの一冊です。