最も大きな学びは「学級経営ピラミッド」
学級経営ピラミッドとは?
学級経営ピラミッドとは、筆者がつくった”「集団面」と「授業面」とを連動させる形で、学級経営の筋道を立体的(縦横)に示したもの”(p.16)のこと。
下が土台となり、上に積み重なっていくピラミッドの形をとる。
「集団面」
協調
協力・所属感
安心・安全
「授業面」
高い目標への挑戦
協同学習
主体的な学習
できる・楽しい
「集団面」と「授業面」は横に相互に関連している。
例えば、集団の「安心・安全」と授業の「できる・楽しい」については次のように述べている。
授業で「できる・楽しい」と感じるから、自信が高まり、友だちに優しくできます。すると、「安心・安全」の確保につながります。また秩序が生まれ「安心・安全」に生活できるからこそ、授業に集中でき、「できる・楽しい」状態になるのです。(p.17)
「主体的・対話的で深い学び」が推進されて、数年経った。
学級経営ピラミッドの例で言えば、「主体的(=主体的な学習)」で「対話的(=協同学習)」を実現するためには、まず優先して「できる・楽しい」授業にすることが大事である。
そして、「できる・楽しい」授業をするために、生徒が学級に「安心・安全」の気持ちを抱けるように、学級に働きかける必要がある。
学級経営ピラミッドの土台部分をつくるためには?
筆者は学級経営ピラミッドの土台をつくるために、4月の最初に次の3つに全力を注がなくてはならないという。
①いじめ、差別との決別を宣言する
②秩序をつくる(ルール、マナー、モラルを徹底する)
③できる・楽しい授業を行う
(p.111)
どれも教師の指導性を必要とするものである。教師主導で実現し、一年間を通じて徹底されなければならない。
「集団面」と「授業面」の相互の関連に注目することで、授業づくりから学級経営に影響を与えることは可能である。
これは小学校教諭である土居正博先生の著書も参考になる。
「学級経営ピラミッド」は自分の学級が今、どこの段階にあるのかを判断する一つの指標になる。その指標から生徒達をどこに導いていけばいいのか、どこの足場を固めなければならないのかを考える時の参考になると思われる。