なのるなもない教員の備忘録

タイトル通りです。

【読書】又吉直樹、ヨシタケシンスケ『その本は』

絵本作家であるヨシタケシンスケさんとお笑い芸人であり作家の一面ももつ又吉直樹さんが「その本は……」で始まるお話を交互に繰り広げてくれる一冊です。

 

 

「その本は……」の切り口で、二人共よくぞここまで話を広げられるなと感じました。

様々な「本」が二人から語られます。その度に、想像が掻き立てられ、ワクワクします。

本にまつわる絵本・児童図書ということで、ヨシタケシンスケさんが様々な「本」や「本にまつわる人や物」について描いた『あるかしら書店』を思い出しました。あの絵本が好きな人はこの本も気にいるかもしれません。

 

 

 

共に本に救われた二人だからこそ書ける(描ける)一冊なのではないかと思います。

 

ヨシタケさんのところは絵が添えられていますし、又吉さんが書かれた箇所も短文だったり、多くても短編小説ほどの文字量なので、読書を苦手としている人にも勧めやすい一冊です。

絵が中心の本から文字多めの本を選んでいく過渡期の段階で、読書を苦手としている生徒に手渡したいと思いました。

また、読み聞かせの一冊として読むのもいいな、と。

 

 

 

以下、お気に入りのところ
・その本は、地面に落とすとバスケットボールくらいはねる。
・その本は、ボンヤリしていた。
・その本は、しおりを食べることによって成長する本だった。
・その本は、かなり大きな声で笑うので
・その本は、いつかぼくを救ってくれるはずだ。
・その本は、志半ばにして叶わなかった夢の話がたくさん書いてある。
・その本は、誰も死なない。
・その本は、私の顔写真が表紙になっていた。
・その本は、本当にその本だろうか?
・その本は、夢のなかでしか読むことができない。
・その本は、評判が悪かった。