なのるなもない教員の備忘録

タイトル通りです。

【読書】斎藤環『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』、向後善之『マンガでやさしくわかるオープンダイアローグ』

「オープンダイアローグ」という精神療法の入門書を読みました。

フィンランドから始まった、そのフィンランドでもごく一部で行われている手法だそうです。

 

 

 

 

大まかにオープンダイアローグの流れを記すと

  1. 治療チーム(2~3人)と患者のチーム(本人、家族、関係者)を招き入れ、オープンクエスチョンを中心に「対話」を行う。
  2. リフレクティング(患者や家族の訴えを聞き、当事者の目の前で専門家同士が意見交換をし、それに対して患者や感想を述べる)を行う。
  3. この過程を繰り返す。

というものです。

 

「リフレクティング」が特徴的と言われています。

確かに患者や関係者の前で、カウンセラーやセラピストが感想を述べたり、医療方針を述べたりするのは他の手法には見られません。

ですが、このような手法をとることで、患者側は話し合いを俯瞰で見ることができ、安心感を得ることができるそうです。

 

以下、雑感。

不登校支援で効果がある(ありそう)

2冊の中で事例として不登校・引きこもりの患者とその家族への支援が描かれていました。また、不登校・引きこもり支援は家族支援でもあり、オープンダイアローグが実際に効果をあげているという主旨の記述がありました。

担任とスクールカウンセラーなどが治療チームとして関わる感じでしょうか。担任個人が生徒と一対一で関わることが多いケースを考慮すると、チームとして実際に対応にあたるだけでも効果を上げそうです。(実際にオープンダイアローグができるかは様々な制約から難しそうですが)

 

対話を続けることで、一種の副産物”オマケ”として勝手に変化が起こってしまう。

この手法が実践できるかは別として、「対話」を続けられる相手として在りたいと思いました。