なのるなもない教員の備忘録

タイトル通りです。

【読書】ハードルを下げてとにかく書く。いしかわゆき『書く習慣』

中学時代に書くことによって救われた作者による書く習慣を身につけるための本。

「自分語りと言われたらどうしよう」「文才もないのに書いていいだろうか」「書くネタがない」というように、書くことにはとにかく心理的ハードルが生じる。それらをえいやっと退けてくれる一冊。

例えば「自分語りになってしまいそうで嫌だ」という書けない理由に対して
人はみな自分のことを語りたい生き物だと筆者は言い、”自分語りをするために書いていい。”(p.40)と断言している。
他にも、うまく着飾った言葉を書くのではなく、感じたままに言葉にすることが良いと語ったり、本人の個人的な感想をみんな知りたがっているということを書いている。
とにかく書きたいけれど躊躇している読者の手を取り、誘い、書くことを純粋に応援してくれる。

 

個人的に刺さったのは、以下の部分。

感情が動いたら、それがインプット。
「インプットしなくちゃ」と、苦手なことやつらいことを頑張ってやる必要はありません。
むしろ、それで自分の感情が動いていなければ、あなたの心にはなにもインプットされていないも同然!(p.158)

▼インプット→アウトプットの流れが大事だとは知っていたが、とにかくインプットを!!と、とにかく本や漫画を読み、映画を鑑賞しとジャンクフードを食らうが如くインプット重視にしていたところがある。心が動かされる体験、本、映像etcを「インプット」として大事にしたい。

 

読者が読みたいのは、本の「あらすじ」ではなく本を読んだ「感想」なんです。
同じ本を読んでも、人が抱く感想はそれぞれですよね。
それを知りたいはずなんです。(p.182)

▼参考になった点・参考にならなかった点、自分に合っていた点・合わなかった点、そのような個人的な部分を人は知りたがっている、すなわち、本当は自分語りの部分をみな知りたいのだと思った。

 

不特定多数に向けて文章を書くときは、次の判断基準を大切にしています。
「相手を目の前にしても直接言えるか?」
「その人の人格を否定していないか?」
「わざわざ発信する必要があるか?」(p.226

▼個人的な感想を書くことを応援するから筆者だからこそ、個人の感想を一般化せずに、「個人の」意見の主張に留めておくというのが大事だということだろう。

 

ブクログやブログを書くようになったので、参考になる点が多かった。